曲のクオリティ・音圧を上げるための楽器構成の考え方とコツ

作曲

今回は、EDMでの考え方をもとに、楽曲のなかでの各楽器の役割や音域の構成についてお話していきます。

今からお話しすることを理解しておくことで、曲のクオリティが安定して高い水準に持っていくことができると思います。

ロック系やポップス系などほかのジャンルの曲でも同じようなことが言えますので、ぜひ最後までご覧ください。

各楽器の基本的な役割

一つの曲の中で、次の6つの役割を意識して曲を作るようにしましょう。これらを意識して音数を増やすことで、無駄にごちゃごちゃした感じをさけつつ、音圧のある曲を作れるようになるかと。

  • メロディ&リード
  • プラック系
  • パッド系
  • シーケンス系
  • ベース系
  • ドラム・パーカッション

メロディ&リード

■主な楽器・・・歌声・ギター・キーボード・シンセサイザー・ストリングス・ブラス系とかなんでも

曲のメインとなるところですね。主旋律を奏でることはもちろん、そこにカウンターメロディーをのせることでも楽曲をにぎやかにすることができます。

シンセリードのサウンドレシピ・作り方

プラック系

■主な楽器・・・ギター・シンセプラック・ピアノ・キーボード・ストリングス

かき鳴らす・ひっかくという意味を持つプラック。ギターのカッティングフレーズなど、短い音でコードトーンを奏でながら、リズム感・グルーヴの表現を担当します。

EDMの場合は、パッド系にレイヤーして、アタック感を出すのにも使用されます。

シンセのプラック系サウンドのレシピ・作り方とアレンジのヒント

パッド系

■主な楽器・・・ギター・シンセパッド・ピアノ・キーボード・ストリングス

あらゆる空間を埋める役割を持つのがこのパッド系です。

ギターやシンセ・キーボードなどでコードトーンを奏でます。中音域を担当することが多いですが、音域的にも時間的にも空いた穴を埋めるように響かせると豪華な曲になるでしょう。

例として、EDMでは白玉で伸ばして使うことが多いです。常に音がなってる感じですね。

シンセパッド系サウンドのレシピ・作り方

シーケンス系

■主な楽器・・・ギター・シンセサイザー・ピアノなど

”1つの短いフレーズを何度か繰り返すこと”であるシーケンスフレーズ。アルペジオなどもシーケンスフレーズにあたります。

メロディよりも若干高い音域でピロピロ鳴らして音域を埋めることもあれば、メロディーとベースの間の音域でコードトーンを静かに奏でるように使われることもあります。

ベース系

■主な楽器・・・ベース・コントラバス・シンセベース・ファゴット

低音域を担当する楽器で、ドラムと一緒にリズムも奏でます。ベース音を意識しつつ、グルーヴを出していきましょう。

シンセベース系サウンドのレシピ・作り方

ドラム・パーカッション

■主な楽器・・・ドラム・パーカッション

楽曲の中でリズム感や雰囲気を演出するために重要な要素。もはや説明はいりませんね。

バンドサウンドを作っている人の中には馴染みのない人もいるかもしれませんが、ドラムとは別に民族系打楽器などパーカッション系を重ねることもあります。

編成の参考例

基本の考え方

基本的な考え方としては、メロディ・ベース・コード・ドラムで楽曲の核を作って、そこにシーケンスフレーズを追加して豪華にしたり、コードをパッド系とプラック系に分けて、それぞれ楽器に当てはめていく感じです。

DTMで曲を作っている人なら、足りない音域が見た目でわかると思います。そこを埋めていく感じですね。

編成例1:3ピースバンド(ドラム/ギター/ベース/ボーカル)

  • メインボーカル・・・メインメロディ
  • コーラス・・・ハモリ or コーラス or カウンターメロディ
  • ギター・・・コードパッド or プラック or シーケンス
  • ベース・・・ベース音 or ベース音を感じさせるシーケンスフレーズ
  • ドラム

スリーピースバンドの場合できることが少ないので、音数を足すというよりも、最大数から音数を引いていって曲の中に抑揚をつけていきます。

ここで注意したいのが、人の声が3人分あるということです。ハモリやハミングなどで音域を埋めることができるので、音域を埋めたいときは意識して行きましょう。

ベースも可能な限り動いたり、ギターもポジショニングを変えたりして、疑似的に音域を広く取ることはできます。

編成例2:4人バンド(ドラム/ギター×2/ベース/ボーカル)

ギターが2本になることで、ギター1はシャッフルでコードトーンを常に鳴らしながら、ギター2がカッティングでのプラック、もしくはシーケンスフレーズを奏でることができます。

ギター1とギター2で音域をずらすことを意識してみましょう。

  • メインボーカル・・・メインメロディ
  • コーラス・・・ハモリ or コーラス or カウンターメロディ
  • ギター1・・・コードパッド or シーケンス
  • ギター2・・・ プラック or シーケンス
  • ベース・・・ベース音 or ベース音を感じさせるシーケンスフレーズ
  • ドラム

編成例3:4人バンド(ドラム/ギター/キーボード/ベース/ボーカル)

キーボードが入ることで一気にできることが増えます。左手でコードトーン、右手でシーケンスフレーズみたいなことができるからです。

しかもキーボードはペダルを使うことで、鍵盤から手を放しても音が切れることならし続けることができます。これにより、アルペジオなどのシーケンスフレーズを奏でながら、パッド系のように時間的に埋めることができるのです。

  • メインボーカル・・・メインメロディ
  • コーラス・・・ハモリ or コーラス or カウンターメロディ
  • ギター・・・プラック or シーケンス など
  • キーボード・・・ コードパッド & シーケンス
  • ベース・・・ベース音 or ベース音を感じさせるシーケンスフレーズ
  • ドラム

編成例4:5人バンド(ドラム/ギター×2/キーボード/ベース/ボーカル)

ここまで来るとやりたい放題できますね(笑)

ポイントはそれぞれの楽器にどこの音域を担当してもらうか、どういった役割を意識してもらうかです。

ただ単にギター2本とキーボードが同じ音域で同じ鳴らし方をしていても意味がないので、それぞれの役割をきちんと分けましょう。

まとめ

いかがでしたか?

基本的にはそれぞれの楽器に音域や表現などで役割を持たせてやると、幅広い音域を使うことができ音域的に厚みが出てきます。この考え方をもとに楽器構成を考えてみてください。

もちろん、同じ音域で音を重ねることで、サウンドを太くすることもできます。EDMでいうところのレイヤー、オーケストラでいうところのユニゾンですね。

今回おはなししたことはあくまで基本的な一例なので、これをもとに自分なりのスタイルを探してみてください。

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