オーケストラで使われる弦楽器の特徴と演奏法

作曲

オーケストラで使われる基本の弦楽器群のそれぞれの特徴と演奏法、そして、弦楽器群によるちょっとしたオーケストラアレンジのコツをまとめます。

オーケストラで使われる弦楽器

  • バイオリン
  • ビオラ
  • チェロ
  • コントラバス(ウッドベース)

*音域の表示は、C3を真ん中のドとしてます。

バイオリン【Violin】

音域:G2〜E6

弦楽器の花形。フルートとも相性がいい。

ビオラ【Viola】

音域:C2〜C5

バイオリンとチェロやコントラバスをつなぐ、中声部の担当。

バイオリンと比べてまろやかな音がする。ビオラの高音域は甲高い音がするので、バイオリンに任せたほうが吉。

チェロ【Violoncello】

音域:C1〜G4

基本的にはコントラバスと一緒にベース音など低音域の担当。

中音域や高音も得意なのでメロディを奏でることもある。

コントラバス(ウッドベース)【Contrabass/Doublebass】

音域:E0〜C3

ジャズでいうところのウッドベース。その名の通りベース音担当。

楽器の構造上、細かいフレーズは苦手。

オーケストラで使われる弦楽器の主な演奏法

DTMで表現するには限界もあると思いますが、演奏法も知っておくことで表現の幅が広がるので、軽く説明しておきまね。

  • スラー
  • スタッカート
  • デタシェ
  • スル・ポンティチェロ
  • スル・タスト
  • ピチカート
  • トリル
  • トレモロ
  • ハーモニクス
  • ソルディーノ
  • ダブルストップ(重演奏法)
  • スルG

スラー【Legato】

滑らかに引くという意味合いを持つスラーですが、弦楽器の場合、一弓で弾くという意味があります。

バイオリンをイメージしてもらえばわかりやすいと思いますが、バイオリンでは弓を上げたり引いたりして音を出しますね。

楽譜上でスラーがついている場所は、バイオリンの場合、弓は上下させずに、上げながら(もしくは下げながら)弦を抑える指を変えるだけで音を変えていきます。

これにより滑らかな演奏が可能になるのです。

スタッカート【Staccato】

短く切って演奏する方法です。

デタシェ【Detache】

区切るわけではないですが、弦から弓を離さずに一音一音はっきりと弾きます。

スル・ポンティチェロ【Sul Ponticello】

弦を支えている駒(ギターでいうところのブリッジ)の近くで弾くことにより、薄く冷たい不気味な音を奏でます。

もうちょっと駒から離れて弾く”スル・タスト【Sul Tasto】”という方法もあります。

ピチカート【Pizzicato】

弓を使わずに指ではじいて弾く方法です。

ジャズバンドのウッドベース(コントラバス)でよく使われますね。

トリル【Trill】

ダイアトニックスケール上の隣り合った音を交互にひくことです。

トレモロ【Tremolo】

弾いている弓のほうで行う場合は、弓を上下させることで同じ音を連続して鳴らします。

押さえている指のほうで行う場合は、弓は一定の側で同じ方向へ動かし、押さえる場所を単3度以上離れている音と交互に変えます。

ハーモニクス【Harmonics】

倍音奏法のことです。

ギターで行うハーモニクスのように、軽く弦に触れることで澄んだ音を出します。

ソルディーノ【Sordino】

ギターでいうところのブリッジミュートですが、バイオリンの場合は”弱音器”というものを取り付けて行います。

すぐに着脱可能というわけではないので、ソルディーノの前後に5秒くらいの演奏の空白が必要です。

ダブルストップ(重演奏法)【Double Stop】

二つ以上の音を一緒に奏でる演奏法です。アクセントとして使われます。

スルG【Sul G】

一番低い弦(G弦)で弾くという指示です。

弦楽器アレンジのやり方【オーケストレーション】

最後に弦楽器群でオーケストレーションのコツをお話しして終わります。

基本のメロディとコードの関係がわかっていればそれほど難しくはありません。ここら辺がまだわからない人はこちらの記事を参考にしてみてください。

DTMerのためのコードの基本

ダイアトニック・スケールとダイアトニック・コードで作曲

弦楽器アレンジの構成

  • バイオリン1
  • バイオリン2
  • ビオラ
  • チェロ
  • コントラバス

弦楽器アレンジの考え方

考え方的にはそれほど難しくありません。バイオリン1でメロディを奏で、そのほかの楽器でコードを奏でる感じです。

チェロとコントラバスでベース音を担当し、バイオリン2とビオラで3度や5度の音を担当します。3度の音は存在感が強いので、3度の音が二つ以上かぶらないように配置するのがコツのようです。

コントラバスはピッチカートなどでリズム感を作ることも多いです。

もちろん、今言ったことが絶対というわけではなく、各楽器でメロディーを担当することもあれば、バイオリンがコードトーンとリズムを担当することもあります。

いろんな楽器の掛け合いのような演奏はオーケストラの一つの魅力だと思うのでいろいろやってみてください。

炎の五重奏アレンジ↑
楽譜付きでものすごくわかりやすいです↑

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