オーケストラで使われる基本の木管楽器群のそれぞれの特徴と演奏法、そして、木管楽器群と弦楽器群によるちょっとしたオーケストラアレンジのコツをまとめます。
オーケストラで使われる木管楽器
- フルート
- オーボエ
- クラリネット
- ファゴット(バスーン)
*音域の表示は、C3を真ん中のドとしてます。
フルート【Flute】
音域:C3~C6くらい
近年は金属製のものが多いですが、フルートはもともと木製の楽器でした。
C3~音は出ますが、澄んだ響きがするG3~G5 くらいがフルートの本領発揮といったところみたいです。
ちなみにピッコロという楽器はフルートの仲間で、フルートよりも1オクターブ高い音域で本領を発揮します。
オーボエ【Oboe】
音域:B♭2~G5くらい
持ち味を生かせる得意な音域はG3~D5くらいの中音域。
管がとても細く、”息が余る”という現象が起こります。爆発的な音は出せませんが、ロングトーンで吹き続けることができるのがオーボエです。
ちなみにイングリッシュ・ホルンはオーボエの仲間です。
クラリネット【Clarinetto】
音域:D2~G5くらい
幅広い音域をもつクラリネットは、低音域、中音域、高音域と音の表情が変わっていく楽器です。
E3くらいまでの低音域は”シャルモー”と呼ばれる温かみのある音で、そこからA3くらいまで”喉の音”と呼ばれる貧弱な音になります。そしてさらにそれ以上の高さになると、とても陽気な音色を出していきます。
クラリネットにはさまざまな種類があります。
オーケストラでは♭系の曲では”B♭管(ベーかん)”、#系の曲では”A管(えーかん)”がよく使われるみたいです。
ファゴット(バスーン)【Fagotto(Bassoon)】
音域:B♭0~F4くらい
オーボエをそのまま低くしたような音色が出るファゴットは、秦のある強い音が出せるので、ベース音の役割を持つことも多いです。
弦楽器群でいうところのチェロのような役割で、それよりも低いコントバラスのような役割を持つ”コントラ・ファゴット”というものもあります。
オーケストラで使われる木管楽器の主な演奏法
- スラー【Legato】
- フラッタータンギング【Flutter tonguing】
- エオリアン・トーン【Aeorian tone】
- ハーモニクス【Harmonics】
- ストップ【Sropeed】
スラー【Legato】
タンギングや息継ぎをせず、できるだけ滑らかに演奏すること。
フラッタータンギング【Flutter tonguing】
したや喉を使って「トゥルルルルル・・・・」って感じで音を出す方法です。
エオリアン・トーン【Aeorian tone】
別名”ブレス・トーン”。息が漏れるように”噪音”を出す方法。空気の「フー」という音を聞かせる割合が大きい。
ハーモニクス【Harmonics】
低音域の指使いのまま高音域を出す倍音奏法。
木管楽器と弦楽器によるアレンジのやり方【オーケストレーション】
今回は、前回の弦楽器によるオーケストレーションから発展して、木管楽器も加えてみましょう。
弦楽器のオーケストレーションの考え方はこちらを参考にしてください。
今回は木管楽器でメロディーを、弦楽器でピアノでいう伴奏を考えてみましょう。
木管楽器と弦楽器によるアレンジの構成
【木管楽器:今回はメロディメイン】
- フルート
- オーボエ
- クラリネット
- ファゴット(バスーン)
【弦楽器:今回は伴奏メイン】
- バイオリン1
- バイオリン2
- ビオラ
- チェロ
- コントラバス
木管楽器と弦楽器によるアレンジの考え方
まずは弦楽器群による伴奏を考えてみます。
前回はバイオリン1以外で、コードを鳴らしましたが、今回はバイオリン1にもコードを担当してもらいます。考え方的には、バイオリン1をトップノートに持ってきて、メロディーに対して3度や6度にしてみましょう。(本来はバイオリン1もメロディーとユニゾンにすることが多い)
フルートを主旋律にする場合、オーボエとクラリネットはハモリかユニゾン・もしくはオクターブユニゾンにすると構成しやすいです。
慣れない場合は、オーボエをメロディに対して6度でハモリ、クラリネットをオクターブユニゾンでまずは作ってみるといいでしょう。
メロディと待った同じような動きをしているとちょっと味気ないので、必要に応じて音符の長さや、音程を微調整することで動きを付け加えます。
ファゴットは、対旋律の補強程度にとどめて、コードの5度の音やルート音を鳴らすとバランスを取りやすいです。
木管楽器は、個性的な楽器集団であることに加え、それぞれ得意な音域があります。オーケストラアレンジをしたい曲のメロデイーの高さによって、どの楽器を主旋律として持ってくるか考えてみましょう。
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