サブドミナントマイナーの使い方

音楽理論

今回はサブドミナントマイナーの使い方をご紹介します。

サブドミナントとかドミナントとか言われてぴんと来ない人は、事前知識としてこちらの記事を確認しておいてください。

ダイアトニック・スケールとダイアトニック・コードで作曲

サブドミナントマイナーとは

ダイアトニックコードのサブドミナントをマイナーにすること。

Key=CのサブドミナントコードはDmとFです。なので、メジャーコードであるFをFmにするのがサブドミナントマイナーだととりあえず思っておいてOKです。

手っ取り早い話がⅣ度をmにするってことですね。Ⅳmの代理コードとして、Ⅱm♭5(Dm7♭5)と Ⅵ♭(B♭) も使えます。

メジャーキーにマイナーキーのサブドミナントコードを入れると考えると使いやすい

メジャーキーからマイナーキーに転調して考えたときのサブドミナントのコードを、メジャーキーのほうにも使用できます。

例えば、Cメジャーのダイアトニックコードは C ・Dm・Em・F・G7・Am・Bm7♭5 で、Cマイナー(Key=E♭)のダイアトニックコードは、 Cm・Dm♭5・E♭・Fm・Gm・A♭・B♭ です。

マイナーキーの場合、サブドミナントが Dm7♭5・Fm・A♭ (Ⅱm7♭5・Ⅳm・Ⅵ♭)となります。これらそれぞれのコードを、元のCメジャーのコード進行に、サブドミナントマイナーとして入れ込むことができるのです。

簡単に言うと、元のキーの同主調であるマイナーキーのサブドミナントを組み込めるということです。

コード進行中のサブドミナントマイナー使用例

それではいくつかサブドミナントマイナーコードを使ったコード進行を見ていきましょう。

とりあえず元のコード進行ととして、Key=Cの451進行の響きを確認しておきます。

F|G|C

単純にサブドミナントマイナーを使う(Ⅳm)

まずは単純にⅣ度をサブドミナントコードに置き換えたものです。FをFmにしたものですね。

Fm|G|C( Ⅳm|Ⅴ|Ⅰ )

サブドミナント⇒サブドミナントマイナー(Ⅳ⇒Ⅳm)の流れを使う

次は、通常のⅣ度をならした後に、それをマイナーコードにしてみます。

F⇒Fm⇒C ( Ⅳ|Ⅳm|Ⅰ )

この形の場合は、Ⅳ⇒Ⅳm⇒Ⅰの流れが鉄板です。構成音が半音階で下がっていくので、クリシェ的な効果を得ることもできます。

構成音が ラ|ラ♭|ソ とクリシェ的に変化していっている。

サブドミナントマイナー⇒サブドミナントマイナーの流れを使う。

最後は、サブドミナントマイナーを2回連続で入れてみます。

B♭|Fm|C ( ♭Ⅶ|Ⅳm|Ⅰ )

いかがでしょうか?全然ありですね。

もちろん、曲中で使うときはメロディーとの兼ね合いもあります。いろいろ試してみてください。

サブドミナントマイナーが使われている曲

それでは、いくつか実際の曲をご紹介して終わりましょう。

The Beatles『In My Life』

AmeroのAll my Life though come have canged のところ

Aメロの頭から |A|E|Fm|G|D|Dm|A| という流れです。

Key=Aなので、DコードがⅣ度でそれをDmにしていますね。ちょっと切ない空気が出る鉄板の使い方です。

米津玄師『ピースサイン』

さら” ばーかかーげろぴーすさいん ころがってくーすとーりーをー ” のところ。

原曲キーはE♭なのでが、このままのKeyで説明するとめちゃくちゃややこしいのでKey=Cで説明します。

|F・G|E7・Am|A♭・B♭|C

というコード進行なので、ディグリーネームに直すとこうなります↓

|Ⅳ・Ⅴ|Ⅲ7・ⅥmⅥ♭・Ⅶ♭|Ⅰ

青文字のところがサブドミナントマイナーです。

正確に言うと、B♭(Ⅶ♭)は”サブ”ではないドミナントコードなのですが、Cへつなげる場合は効果が弱いので、ドミナント機能を持たないドミナントと呼ばれます。

先程のビートルズの曲とは違ってこちらは盛り上がっていく感じが出ていますね。

コード自体がメジャーコードだったり、曲の雰囲気もありますが、ここのコード進行がA♭⇒B♭⇒Cの流れとなっていて全音階でのクリシェになっています。これにより、より盛り上がっていく感じが出ています!

ちなみに赤文字のところはセカンダリードミナントです。

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