AIきりたんをはじめ、ずんだもんやめたんなどのVOICEVOXシリーズにも歌ってもらうことができる無料のボカロソフト、NEUTRINO(ニュートリノ)の使い方を見ていきましょう!
NEUTRINOとは
NEUTRINOとは、厳密にいうと違いますが、簡単に言うと無料のボカロです。
NEUTRINOを使うことで、きりたんやずんだもん、めたんなどのキャラクターに歌ってもらうことができるのです!
ただ、ボカロやUTAUなどとは大きく違う点が一つあります。
現在(2023年8月)のNEUTRINO自体の”作成”の機能は弱く、どちらかというと”楽器”としての要素が強いことです。
既存のボカロやUTAUなどは、一から音符も歌詞も打ち込んでいくことが可能でしたが、NEUTRINOでは別で用意した楽譜ファイル(歌詞込み)を読み込んで、それぞれのキャラクターに歌ってもらう感じです。
ボーカルデータ自体は別で用意する必要がありますので、そこらへんも解説していきますね。
一応、後述するNEUTRINO調声支援ツールを使用することで、NEUTRINOでも一からのボーカルづくりが可能です。
NEUTRINOを使うために必要なものを用意する
- NEUTRINO本体とNEUTRINOの歌声ライブラリ
- MusicXMLファイル
- DAW(NEUTRINOにはなくてもいいけど曲を作るのに必要)
- NEUTRINO調声支援ツール(なくてもいい)
NEUTRINO本体とNEUTRINOの歌声ライブラリ
まずはNEUTRINO本体と、きりたんやずんだもん、メタンなどの歌声ライブラリを入手しましょう!
⇒無料の音声合成NEUTRINOのダウンロードとインストールのやり方
MusicXML
MusicXMLは音楽系のファイルの形式の一つで、楽譜の保存に特化したデータです。
NEUTRINOでは、MusicXMLのデータを利用してボーカルを作って行きます。
なので、NEUTRINOでボーカルを作るには、どうやってMusicXMLのファイルを用意するかという点が肝になってきます。
よくお勧めされているのは、MuseScoreというアプリケーションの利用です。無料です。
⇒MuseScoreの使い方【NEUTRINOユーザー向け】
DAW
DAWとはDTM(デスクトップミュージック)をするのに必要なソフトのことです。NEUTRINOを使った楽曲制作においてのメインの使いどころは、オケの作成と最後のミックスですね。
既存曲のボーカルの変更のみの場合など、オケがすでに別で作ってあったり、どこからか入手できる場合は、動画編集ソフトで代用することも可能です。
完全オリジナル曲の場合など、オケの作成が必要な場合はDTM環境も必須なので用意しておきましょう。
NEUTRINO調声支援ツール(なくてもいい)
NEUTRINO調声支援ツールとは、NEUTRINOとは別で”Sigさん”が無料で提供してくれている外部プラグインのようなものです。
これを利用することで、メロダインなどのボーカル編集ソフトのように歌い方の調整などができます。
さらには、NEUTRINO本体では難しかった、”一から打ち込んでいってボーカルを作る”なんてことも可能になります。
なくてもいいけど、ほぼ必須レベル。
NEUTRINOの使い方
NEUTRINを使って曲作るときの流れ以下の通りです。
- MusicXMLファイルの作成
- NEUTRINOでボーカルファイルの作成
- ボーカルとオケのMix
MusicXMLファイルの作成
- Midiデータやボカロのデータなど既存データをMusicXMLのデータに変更する場合
- メロディや歌詞を1から打ち込んでいく
Midiデータやボカロのデータなど既存データをMusicXMLのデータに変更する場合
ボカロのデータをすでに用意してある場合や、ほかの人から提供してもらって、それをNEUTRINで歌わせるときは簡単に変換できます。
VSQXやVPR、MidiデータなどもMusicXMLに変換できるサービスがあるので活用しましょう!
この時、歌詞がのっていないメロディだけのデータでも、NEUTRINO調声支援ツールを利用することで歌詞の打ち込みが可能です。
なので、DAWなどでメロディラインだけ先に作って、NEUTRINO調声支援ツールであとから歌詞を打ち込んでいくなんてこともできます。
メロディや歌詞を1から打ち込んでいく
MuseScoreを利用することで、一からメロディと歌詞を打ち込んでいくことも可能です。MuseScoreでは直接MusicXMLで変換もできます。
⇒MuseScoreの使い方【NEUTRINOユーザー向け】
NEUTRINOでボーカルファイルの作成
MusicXMLを用意できたら、それをNEUTRINOで設定していきます。
- NEUTRINOで直接ボーカルファイルを作る場合
- NEUTRINO調声支援ツールを使用する場合
NEUTRINOで直接ボーカルファイルを作る場合
NEUTRINで直接ボーカルデータを作る場合は、工程がちょっと複雑です。
- 楽譜(MusicXMLファイル)を指定のフォルダに入れ
- batファイルでキャラクター(model)と楽譜の指定をして
- 出力
という手順を踏まないといけません。
楽譜(MusicXMLファイル)を指定のフォルダに入れ
まずはNEUTRINの中のmusicxmlのフォルダの中に、Musicxmlのファイルを入れます。
”NEUTRINO⇒score⇒musicxml”のところです。
batファイルでキャラクター(model)と楽譜の指定をして
まずは、Ran.batをメモ帳で開きます。メモ帳開いてRan.batをドラッグ&ドロップでOKです。
次にキャラクターと楽譜の設定をしましょう。
: Project settings
set BASENAME=
ここに歌ってもらいたいmusicxmlファイルの名前を入れます。
: NEUTRINO
set ModelDir=
ここにキャラクターの名前を入れます。
*画像だと、Musicxml名前にスペースが入っています、この状態だとうまく読み込めないので、Musicxmlファイル自体の名前から、スペース抜きの半角英数字に修正しましょう。
最後に保存しましょう!
上書き保存で大丈夫ですが、不安な人は、別名保存をして、元のRan.batファイルはどこかに移動させておきましょう。出力後に入れ替えればOKです。
出力
最後にRan.batファイルをダブルクリックすると実行されます。
処理が終わると、黒い画面が消えて、NEUTRINOのoutputのフォルダ内に出力されています。二つあるので好きな方を使ってください。
NEUTRINO調声支援ツールを使用する場合
NEUTRIN調整支援ツールを利用すると、複雑な設定なしでボーカルファイルに変換できます。
その際、メロダインのように細かなニュアンスの調整などもできるので、こちらの方がおすすめです。
⇒NEUTRINO調声支援ツールにMusicXMLを読み込んで編集
ボーカルとオケのMix
最後に、NEUTRINで作ったボーカルデータとオケをミックスすれば完成です。
オケをこれから作らないといけない場合は、DAWが必要になります。普通にDTMです。
既存の曲のボーカルを変換しただけの場合など、オケがすでにあるときは、動画編集ソフトで代用可能です。無料の動画編集ソフトでも音量の調節やちょっとしたエフェクトはかけれると思います。
自分でオケも作りたいぜ!って人は、DTMのスキルが必要なのでこちら参照
⇒DTM初心者はこちらから【やり方まとめ】
TIPS':DTMとDAWの違い
DTMとは、パソコンなどで音楽を作ることで、DAWはDTMをするために必要なアプリケーションのこと。
NEUTRINOを使った曲のおすすめの作り方
NEUTRINを使って曲を作るときは、その性質上いろんな作り方がありますが、とりあえずってことでおすすめの方法を3つまとめておきます。
- 既存のボカロ+うたフォーマティクス+NEUTRINO支援ツール
- DAW+NEUTRINO支援ツール
- MuseScore+NEUTRINO支援ツール
パターン的にはこの3つです。
既存のボカロ+うたフォーマティクス+NEUTRINO支援ツール
- 既存のボカロやUTAUでボーカルデータ作成
- うたフォーマティクスでMusicXMLに変換
- NEUTRINO調声支援ツールで調整・出力
この方法が一番おすすめです。
最初からNEUTRINO支援ツールを使ってメロディと歌詞を打ち込んでいってもいいのですが、一つ欠点があって、音を確認するのにいちいち読み込むが必要で、それがめちゃくちゃ重いです。
なので、既存のボカロやUTAUなどでメロディと歌詞をつけておいて、そのファイルをMusicxmlに変換したほうがトータルの時間がすくなくて済みます。
DAW+NEUTRINO支援ツール
- DAWでメロディ作成
- NEUTRINO調声支援ツールで歌詞入れ・調整・出力
ボカロやUTAUを持っていない場合は、メロディだけ別で作って、NEUTRINO支援ツールで歌詞を入れていく方法もありです。
MuseScore+NEUTRINO支援ツール
- MuseScoreでボーカル作成
- NEUTRINO調声支援ツールで調整・出力
この方法は、DAWを持っていない人のための方法です。
MuseScoreで歌詞を入れるところまでやってしまう手もありますが、歌詞入れがちょっと面倒です。そこをカバーするのがNEUTRINO調声支援ツール。NEUTRINO支援ツールでの歌詞入れは結構楽です。
一方、NEUTRINO支援ツールのほうはメロディの打ち込みはできても、打ち込んだメロディの確認にいちいち読み込み時間が必要で時間がかかります。
なので、”MuseScoreでメロディ入れ⇒NEUTRINO支援ツールで歌詞入れ”という流れがやりやすいと思います。
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